ISO 21114:2026制定、ニコチンパウチ中のニコチンをLC-UVで定量
ニコチンパウチと充填物を対象とする新しい国際規格。HPLCまたはUPLCと紫外検出を用いる定量法の適用範囲が公開されています。
国際標準化機構(ISO)は2026年10月1日、ISO 21114:2026(第1版)『Nicotine pouches — Determination of nicotine content using liquid chromatography ultraviolet spectroscopy (LC-UV)』を発行しました。日本規格協会の公式販売ページにも日本語題名『ニコチンパウチ-液体クロマトグラフィー・紫外分光法(LC-UV)によるニコチン含有量の測定』と発行日が掲載されています。対象はニコチンパウチおよびその充填物で、HPLCまたはUPLCとUV検出によるニコチン含有量の測定法を定めます。

適用範囲は国際規格としての対象試料と分析法です。この規格の発行だけで国内の法定検査や表示規制が新設されたことを意味しません。分析室は製品規格や顧客仕様で参照する場合に、対象マトリックス、既存の抽出・定量SOP、装置条件、検量線および品質管理の適合性を確認してください。
日本規格協会によると邦訳版はなく、規格本文は有料です。無料公開されたISOの要旨で確認できるのは対象試料とHPLC/UPLC-UVという方法の範囲までで、抽出条件、定量範囲、精度基準、移行期間は推測できません。実装前には規格本文を確認し、必要に応じて自施設で妥当性を検証してください。
編集者の視点
新しい製品カテゴリーに、国際的に共通のものさしが初めて用意された、というのが今回の話だ。実際にLC-UVで測定する側の関心は、複雑なマトリックスからニコチンをどう抽出し、UV検出で妨害となる成分をどこまで避けられるかに集まる。UVは手軽な反面、選択性は質量分析に劣るので、前処理の技術がそのまま定量の信頼性に響きやすい。この規格が出たこと自体は国内の法定検査や表示規制の新設を意味するというわけではないが、測定法の妥当性を顧客へ説明する際には有益な情報なので、規格内容をしっかりと把握しておきたい。