東京都健康長寿医療センターと島津製作所、シアル酸結合様式を部位別に判別する糖ペプチド解析法を開発
SALSA前処理とLC-MS/MSを組み合わせ、N型・O型糖ペプチドの修飾部位とシアル酸のα2,3/α2,6結合を網羅的に識別する解析法です。血漿試料から、従来法では得にくかった部位別の結合様式情報を取得しました。

東京都健康長寿医療センター研究所と島津製作所などの研究グループは、シアル酸結合様式特異的アルキルアミド化法(SALSA)とLC-MS/MSを用い、N型およびO型糖ペプチドを結合様式まで区別して解析する方法を開発しました。成果はAnalytical Chemistryに2026年7月21日付で掲載され、島津製作所が9月11日に日本語の公式情報を公開しました。
試料中のタンパク質を酵素消化した後、ペプチドのアミノ基をジメチルラベル化してSALSA反応の副生成物を抑制し、シアル酸を結合様式別に誘導体化します。続いて条件の異なる親水性クロマトグラフィーでN型・O型糖ペプチドを濃縮し、LC-MS/MSとデータベース検索で同定します。ヒト血漿では、79タンパク質由来の831個のシアリル化N型糖ペプチドと、29タンパク質由来の75個のシアリル化O型糖ペプチドが同定されました。
掲載図は、この解析法の前処理順序と、誘導体化後にN型・O型を別々に濃縮してLC-MS/MSへ導入する分岐を示すために引用しています。図から、酵素消化、アミノ基保護、SALSA誘導体化、濃縮という工程の位置関係を確認できます。分析室で導入を検討する際は、血漿の前処理、反応収率、濃縮条件、データベース検索条件、同定の再現性を自施設で検証する必要があります。