大阪大など、単一分子の電流からアミノ酸のL型・D型を識別
金電極の微小ギャップで得る電流波形と機械学習を組み合わせた分析技術。隕石・砂漠試料でも検証した一方、定量値やD/L比の精度は今後の課題です。
大阪大学産業科学研究所などの国際共同研究グループは2026年10月5日、アミノ酸1分子が金のナノギャップを通過するときの量子トンネル電流を読み取り、L型・D型を識別する分析技術を発表しました。成果は同日、査読誌Nature Communicationsに掲載されました。

約0.5ナノメートルの金電極間で得られる電流波形を機械学習で解析し、19種類のキラルアミノ酸の鏡像異性体を識別しました。さらにマーチソン隕石とアタカマ砂漠土壌の抽出物に適用し、主要なアミノ酸組成について従来のLC-MS分析と共通する傾向を確認しました。ただし、成分別の定量値とD/L比には差があり、研究チームは精度向上が必要としています。
これは宇宙探査や極微量試料への応用を狙う研究段階の技術で、公定分析法や市販装置の発表ではありません。研究室で追試・応用を検討する場合は、実試料の前処理、汚染管理、電極間隔の再現性、学習モデルの外部妥当性、LC-MS等との定量比較を確認する必要があります。