分析データの管理

PMDA、薬事活動でのAI活用に基本的考え方 開発用データの出所・変更履歴を重視

PMDAが11月2日、薬事判断にAIを用いる際のデータ管理、性能評価、人による監督を示しました。新たな義務ではなく、分析データを判断に使う試験室にも参考となる考え方です。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は2026年11月2日、『薬事活動におけるAI利活用に関する基本的考え方(Early Consideration)』を公表しました。対象は医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品の開発から製造、製造販売後までの薬事活動で、規制上の判断・意思決定にAIを使う場面を想定しています。基礎研究は主な対象ではありません。日本のPMDAによる参考文書であり、新たな法令上の要件や施行日、移行期間を定めたものではありません。

分析装置とクロマトグラムを表示した端末のある実験室。ゴシック体で『分析データとAI』と表示

文書は、使用目的と適用範囲を明確にし、リスクに応じてデータの適合性とAIの性能を評価する考え方を示しています。AIに入力・処理させるデータは目的に照らして適切か確認し、AIの開発に用いるデータは特性、出所、処理過程、変更履歴、意思決定の根拠を記録・管理して追跡可能性の確保に努めるとしています。実際の使用環境を踏まえた性能・妥当性の確認、導入後の監視・見直し、人による監督も挙げています。最終的な判断と責任は人が負うという位置付けです。

分析データの解釈やレビューにAIを使い、その結果が薬事判断につながる製薬関連の試験室では、入力データの出所と前処理の記録、用途に合った性能確認、人によるレビューの手順を点検する際の参考になります。これは文書の考え方を分析室に当てはめた実務上の整理であり、PMDAが分析室向けの一律の新手順を義務付けたという意味ではありません。具体的な適用は業務の目的とリスクに応じて判断する必要があります。